極愛〜狙われたら最後〜
「変に隠さないの! どうせバレるんだから!」

「いやそれは…はい。そうです」

「手当は?」

「……風呂上がったら頼む」

やっと素直になったよ。

「わかった。ほら、それじゃ入ろう?」

「ああ」

そしてお風呂で傷口を見ればなかなかの傷だった。

「ったく。これ隠すってどういう事よ! はい! 終わり!」

お風呂から上がってリビングのソファで手当をして包帯を巻いた上からパン! と叩く。

「いっ!」

さすがに痛かったらしい。

「ははは」

私が笑えば痛みでしかめっつらをしていた龍臣も結局笑い出した。

「おいで」

両手を広げる龍臣の上に背中を向けて座る。
これは私の定位置だ。

「こうして座ってると思い出すな」

「ん?」

「まだ雫が俺の事を狙ってた時の事」

あー。あははは。
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