極愛〜狙われたら最後〜
「それで?」

「俺はこれまで特定の女を作ったことがない。なのに急に結婚だなんてなって騒ついてる」

「怪しまれてるって事?」

「ああ。一目惚れという事にしてる」

「はははっ」

笑っちゃう。

「合わせろよ?」

「大丈夫。任せて」

「お前を見れば納得するはずだ。それから…」

「今度は何よ!」

心配しすぎ!

「いや…。頼む」

「なんて言おうとしたの」

「いや。たくさん良い男もいるから」

は?

「目移りすんな。俺だけ見てろ」

この人の独占欲なんとかなんないわけ?
たかだか妻のフリをした玩具相手にさ。

「本当にわがままね、あなたって」

そう言ってクスッと笑って見せると、漆黒の瞳がギラっと光った。

「お前も俺に惚れてるって思わせないといけないんだからな?」

龍臣はトンと私を壁に押し付け顎を持ち上げた。

「わかってるわよ」

任せなさいよ。
私を誰だと思ってんのよ。
< 63 / 268 >

この作品をシェア

pagetop