極愛〜狙われたら最後〜
鏡の前に立って身体を見る。

ちょうど肩甲骨の真ん中辺りに刻印されたタトゥー。

首を吹っ飛ばされても私の身体とわかるように刻まれた印は、この世界から抜け出せない事を意味している。

それでも私はこの世界しか知らないから別になんでもいい。

この黒く塗りつぶされた五センチくらいのなんの変哲も無い丸のタトゥー。

もっとさ、なんかなかったわけ?

丸ひとつじゃあまりにもカッコ悪いから、私はその上下にそれぞれ二つずつ、その丸からひとまわりずつ小さくなるように背骨に沿って同じ丸のタトゥーを入れている。

どうやら他の人もそうやって各々アレンジしているらしい。

だよね。

あの黒丸は変よね。

なかなか皆んなも苦労してんな。
なんて思いつい笑ってしまった。
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