極愛〜狙われたら最後〜
あながち私がさっき言った、心配性というのは嘘じゃなかったか?

ははは。

「お前が一人の間は身の回りの世話、全部してくれるから」

え?

「家事も全部」

は? この人が?
この感じでエプロンとかしちゃう?

ダメだ。想像しただけで面白い。

「ありがとうございます」

なんとかポーカーフェイスを貫く。
既に組長は後ろの方で笑っている。

ねぇー。
やめてよー。

「ククククっ雫さん、悪いな。倅は雫さんが心配でならねぇみたいだ。こんなん付き人に選んじまった」

だからさー。

でも私はニコっと笑う。

「半沢。気ぃ引き締めていけよ?」

組長が彼にドスの効いた声で話しかける。

「へい」
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