極愛〜狙われたら最後〜
とりあえず、明日龍臣が出かけるタイミングで半沢は家に来ることになった。

龍臣と帰って着替えを済ませてシャワーを浴びてソファで寛ぎながら話をする。

この緊張感のなさよ。

いつ私にZから連絡がきてゴーサインがでるかもわからないのに、この人はなんでこんなに余裕なのか。

そして私も私でこれから始末する相手と何をしてるんだか。

結局惚れさせて油断させるなんて息巻いていたが、どうにもいつものように自分のペースに持っていけない。

気づけば面通しまでされて、しっかりと妻というポジションになって付き人まで付けられてしまった。

「私の付き人、凄いの選んだね」

「惚れんなよ」

隣で私の肩を組んでジッと見下ろされる。
誰が惚れるかよ。

「私は誰のものにもならない」

あなたのものにもね。
嘘でもあなたのものよと言えば騙せるのに。

龍臣は正面に顔を移した。

「…そうだったな」

そう言ってスッと立ち上がるとキッチンの換気扇の下に行ってしまった。

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