極愛〜狙われたら最後〜
演技でもなんでもなかった。

「頼む」

龍臣はそれだけ言って先に歩き出した将臣さんの後ろをついて行くように、私の腰にしっかりと手を添えて歩き出した。

さっきから心臓がおかしい。

マンションに着くと龍臣は何も言わずに一人でシャワーを浴びに行ってしまった。

すると携帯が鳴る。

"Z"

「はい」

『今夜、決行しろ』

「…承知」

私は電話を切った。

ついに…来た。

龍臣は今シャワーを浴びている。

私は殺るなら一番無防備になるベッドの上でと決めていた。

すかさず枕の下にナイフを忍ばせる。

銃は火薬の匂いで気づかれるから。

失敗は許されない。
ひと突きで仕留めないと。

そして再びリビングに戻り何もなかったようにソファに座る。
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