極愛〜狙われたら最後〜
そして握った手を緩めると龍臣は顔を上げて、私を見下ろしながらその蜜で濡れた口を拭いてみせた。

その表情は妖艶で艶めかしく、私に夢中になってる。

その目は本当に私を愛してると言ってるみたいだ。

そして脚を抱き抱えられ固定されるとグッと腰を沈められる。

殺るのは龍臣が絶頂を迎えるその瞬間だ。

それまでは…まだ…

「あっ…はぁっ…」

こんなはずじゃなかったのに…

全身に入った刺青を目の前にただ声をあげることしができない。

「どうした? そんなもんか?」

何がよ…
今日は何が何でも耐えてみせるわよ。

突き上げられるその律動に気を失いそうになりながら枕の下に隠したナイフを握る。

こんな事してる場合じゃないのに…

容赦なく奥へと突き上げられる。

「ふっ…あっ…んっ…」

このままだと龍臣の絶頂を迎える前に私が先に…

それなら直ぐにでも…

「そんなんで俺を殺ろうとしてたのか?」

え…?

龍臣はピタっと止まると枕の下に入れた私の手をナイフごと持ち上げた。

「ほら、殺れよ」

そう言って自分の喉にナイフを突きつけた。
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