極愛〜狙われたら最後〜
「雫。やめろ。手を放せ」

「殺してよっ!」

泣き叫ぶ私を龍臣は優しい眼差しで見下ろす。

「俺はお前を殺さない。出来るわけないだろ? こんなに愛してるんだから」

そんな…

「私はあなたを殺そうとしてたのに…」

本当に私を愛してるの…?

「最初からわかってて側に置いてたんだ。忘れたのか?」

「演技じゃ…なかったの…?」

「なわけあるかよ。俺は初めからお前に惚れてる」

でも私…
組織に…

流れる涙を龍臣はそっと指で拭う。

そして柔らかく、優しいキスが唇に落とされ深く甘く溺れていく。

「ん…」

「大丈夫だから。お前は殺させない」

そんな事…できるの…?

「雫、愛してる。心から」

そう言ってずっと入ったままだった腰をガンと突き上げられる。

「はぁんっ…!」

そこから一気に加速していく律動。

自分の気持ちに気付いたら急にこの行為が意味のある物に変わり、鼓動がおかしな動きを始めた。

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