バンドマンの彼氏。
ほんとにMV撮影って時間かかるんだな…。

日付けが変わっても陸斗から連絡の1本もない。


ピンポーン…。


インターフォンが鳴った。

出てもいいのかな…。

モニターを見ると武政さんだった。


ガチャ。


「ごめん、陸斗酔い潰れちゃって送ってきたんだ」

「ど、どうぞ!ってあたしの家じゃないけど…」


武政さんは陸斗をソファに寝かす。

あたしは毛布をかける。


「星七…」


そう呟いてあたしの手を握った。


「ほんとに2人付き合ってないの?(笑)」


武政さんが言った。


「はい」

「そっか」


武政さんはフッと笑った。


「じゃ、俺帰るね」

「ありがとうございました」


あたしは頭を下げた。
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