バンドマンの彼氏。
「今日のワンマンも大成功だったね」


あたしは月夢を寝かしつけて、陸斗に話しかけた。


「ねぇ」

「ん?」

「乾杯しよ」


陸斗は冷蔵庫からお酒を出した。


「ねぇ」

「ん?」

「俺の彼女になってほしい...」


陸斗は下を向いて言った。


「いいの?」

「待たせてごめん。いっぱい嫉妬しちゃうかもだけど...」

「いいよ。束縛もしていいよ。どこにも行かないから」


陸斗はぎゅーっとあたしをだきしめた。

陸斗から不安が伝わってくる。

あたしはぎゅーっとだきしめかえした。


「ねぇ」

「ん?」

「キスしていい?」

「いいよ」


リップピアスがひんやりと冷たい。
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