恋も仕事も一発逆転!社長へのドラマチック.セカンドラブ
出逢い

平成30年
織田俊平29歳は。目の前に座っている荻野涼子26歳の顔を見るなり、思わず口を開いた。
織田俊平29歳「AKB48の指原莉乃って感じですね」
荻野涼子26歳「冗談でしょ。その口髭。昔を語っていますね。彼女にふられて髭を生やし始めたとか、そんな雰囲気します」
織田「いやいや。まいったなあ。当たりです、プライベートで図星です」
荻野「私は、テレビでキャスターやってます。宜しく」
織田俊平は、内心、びっくりした。そして荻野の身体をじっくりと見入った。綺麗だし、美人だし、可愛いし、ウエストもキュとしまってる。あまり、おおらかな胸には寂しい感じだ。
涼子は熊本の実家から東京に向う所だ。織田は機械メーカーの営業をやっている。熊本へ出張の帰りだ。東京は目黒区のマンションに一人住まい。涼子は独身で、明日から仕事。月曜日と水曜日に、朝の番組でキャスターしてるそうな。
織田「飛行機はお好きですか。隣の部屋でお食事でも一緒にどうです」
荻野「飛行機にはレストランはないですよ。いつの時代の人ですか」
織田「もうすぐ羽田ですね。宜しければ一緒にお昼。おごります」
荻野「ハイ」
涼子は、ハイと答えた。織田は14時までに会社に戻らないといけないが、こんな女子アナとの出逢いは、一生で一度かもしれないと、仕事は、報告だけだし、ドタキャンに踏み切った。涼子はポニーテールの髪に、首に縞模様のスカーフを巻いている。季節も春で陽気だ。織田は上着を脱いだ。織田はグレーのストレッチ地カーディガンが爽やかな印象を与える。涼子は、春だなあと少し、織田の事が気になった。
飛行機が乱気流に入り、少し揺れている。涼子の手からオレンジジュースが溢れた。織田はポケットからハンカチを差し出した。
織田は一瞬。脳裏に親友が浮かび感謝した。このハンカチにはちょっとした仕掛けがしてあるのだ。
織田「このビニール使ってください。そのハンカチは捨てて結構ですから」
涼子はビニールに入れて、バッグの中に締まった。織田は、つぎの言葉を投げるのをやめる。すかさず別の言葉を用意した。
織田「お昼は何を頂きますか」
ハンカチについて。涼子が言いたそうなのを遮った。このハンカチは彼女の中へ。その後の行方は織田にも予想出来ないが、突然。決行された作戦は見事に成功した。
羽田に着くと、織田は、涼子を浜松町へ案内して歩いて3分の場所にある。中華店へ誘導した。
織田「四川麻婆豆腐」が、自家製の花椒を贅沢に使用した一品で、花椒の芳香とクセになる辛味ですよ」
涼子は、感情豊かに紹介された。「四川麻婆豆腐」を注文する。
織田は一瞬。脳裏に親友が浮かび感謝した。
涼子「食事はいつも外食ですか」
織田は、毎日、外食だとは言わずに、別の言葉を用意した。
織田「たまに外食ですが、自炊してます。彼女はいません。よかったら、彼女になりませんか」
涼子は、織田の突っ込みについていけずついポロリと口
をこぼした。
「えっ。これ、私の電話番号です。宜しかったら」
織田は、涼子と電話番号を交換する。
織田「ここは、私が払います。次はお願いします」
食事が終わり、2人は外に出た。
織田「私はここで別れます」
織田は、涼子の姿が見えなくなった所でタクシーを呼んで、会社のある。目黒まで急いで直行したのである。
織田は30分遅れたが、会社に着き出張を報告した。
その日は、出張と言う事もありマンションに17時には着く。織田は幼なじみ安田晴子29歳に夕飯をご馳走になる。
安田晴子「俊平 私 いい歳じゃん」
織田「その話はご法度、俺、結婚する気ないから」
織田は飯を喰ったら安田の部屋を出て行く。20時からは週に一度の洋裁学校へ。俊平はここで洋裁を習っている。俊平の会社はカラオケ機器のメーカーで、介護施設やらでカラオケ療法を高齢者に指導している。そこで働いていた。副業で洋裁学校を開いてる木田篤子46歳の勧めでやって来ている。この洋裁学校での技能が変な事に役立っていた。
木田篤子「俊平 結婚しないの」
俊平は今日は2度も同じ言葉を投げられた。しかし、篤子には愛想良く対応した。
織田「見合いでもするかな。金はある。実家に帰れば土地もあるし」
篤子」田舎に帰るの」
織田「相手次第だよ。こうだと断言はできないが、色んな戦法は考えてる」
篤子「見合いしない。いい人紹介するわ。ちょっと待って」
織田は見合い相手の写真を見て。ぐっぐっときた。美人だ。しかし、介護をしてると言うのに、待ったがかかった。織田は断った。
荻野涼子は同じキャスターの安達ユキ24歳と居酒屋に来ている。
安達ユキ「ヘェー、ところで、木田達也君とうまく言ってるの」
涼子「あまり会ってない。仕事が忙しいみたいで」
ユキ「電話とかやってないの」
涼子「めんどくさいって」
ユキ「彼は真面目だからね。涼子は彼氏以外と電話番号交換してないの」
涼子はドキッとした。あの彼の手帳に私が登録されてるのをすっかり忘れてた。涼子は、何か。身体がほたってきた。2人は1時間程で別れた。マンションに帰り、浴槽に灯りを灯すと、洗濯籠の中に何か入っている。ビニール袋が目に入った。涼子は思い出した。しかし、彼の名前は誰だっけ。涼子は鏡に向かって。
涼子「彼の名前も知らないのに、電話番号交換した」
しかし、涼子は彼を消そうと言う欲求は生まれなかった。もう時間も遅いと思ったが、何故か洗濯したくなり、洗濯機のスイッチを入れる。居間に戻ると。明日バラエティ番組をやっている。涼子は出演者に何を馬鹿な事やってるのかとけなしたが、我に戻った。私は見ず知らずの男と番号交換した。思い出しても、涼子の性格からして、絶対あり得ない筈だった。
木田達也。民放番組プロデューサーである。涼子には、真面目を強調させている。暫くぶりに涼子と食事の約束をした。予約したのは、渋谷にある溶岩焼肉店。富士山の溶岩プレートによる230度の低温調理で黒毛和牛の旨味は最高である。
涼子は黒無地のTシャツ、デニムのミニマルコーデ。カジュアルな服装でやって来た。焼肉屋と言うのは達也から伺っていた。
涼子は入り口でキョロキョロしている。達也は、また、コンタクトでも落としたのかと、涼子を呼んだ。当たっていた、お手洗いに行き、眼鏡でやってくる。椅子に座ると、達也は手に何か持っている。涼子はピンときた。再びお手洗いに駆け込み、もう一度お化粧直しをして席に戻る。
涼子は達也の顔をじっと見る。達也は少しいつもと違う感じは、ピンときた。涼子の予感は当たった。
達也「一生ボクのそばにいてください」
涼子はひとつ返事でOKを告げる。
達也「来週のバラエティ番組でアイドルグループアフターンの高橋えり18歳と打ち合わせの前に、3人で食事をしようと思うけども。いい」
俊平は、仕事が終わりマンションに戻ると、アフタヌーンの音楽鑑賞が始まる。ファンで萩田帆風のファンだ。何回も何回も再生するのは、アフタヌーンが歌っている。「となりのバナナ」ちょっと大人びた雰囲気の顔が好みである。抜群のスタイルと美貌。アフタヌーンの中ではピカイチだし。セクシーショットがたまらない。
1週間が過ぎ木田達也は涼子と待ち合わせをした。そして、連れてきたのはアフタヌーンの高橋えり。

番組のタイトルは「ドジ選手権」素人の出演番組のゲスト。前髪は短くカットした。爽やか系のアイドルと言ったイメージのえりである。えりを2人に自己紹介をした。
えり「東京生まれ B型のさそり座です。最近はお笑い系の番組によく出演してます」
えりは木田達也の顔を見て一言付け加えた。
えり「バラエティ番組の、プロデューサーにしては、少し年配な感じ」
六本木タワービルの一階にある。喫茶店。サロンのように、天井が高く開放感に満ちた店内で、ゆったりとした感じ。達也は15時を過ぎているので、軽いケーキにコーヒーを注文する。店員が、お冷やをえりに出した時に。少し水が溢れた。慌てたのは、涼子であった。涼子は咄嗟にバッグの中からハンカチを取り出して拭いた。
えり「ありがとうございます。このハンカチは、洗って返します」涼子が差し出したのは、福岡空港で出会った彼のハンカチ。もしも、バッタリあったらと、バッグに洗濯して保管していたのだ。えりもビニールにいれてバッグにしまった。三人は夕方になり、えりがラーメンを食べたいと言うので、世界に羽ばたく『楽観』ここにあり。『鰹節』『煮干し』素材にとことんこだわった淡麗スープに仕上げの『高級オリーブオイル』に寄った。えりはマンションに一人暮らしである。部屋に帰ると。バッグを開けた。目に入ったのは、お冷やをこぼした時のビニールに入れたハンカチ。お水だからと、ビニールを開けて取り出すと。淡い水色のハンカチに綺麗に刺繍が、してある。どうも電話番号のようである。えりは、お礼を言おうと、刺繍してある番号に電話をかける。
えり「もしもし」
俊平「誰」
好奇心が大きい。18歳えりは電話を切らなかった。
えり「涼子です」
俊平「誰、涼子って」
えり「キャスターの涼子です」
キャスターと聞いてびっくりした俊平は言葉を続けた。
俊平「ハンカチ」
俊平は編み物の腕を自慢に、ハンカチに自分の電話の番号を刺繍していた。親友から、そのハンカチを持ってたら、天使がくるとはこの事かと疑わなかった。
えりと俊平は1時間近く、お喋りを続けた。俊平は、数ヶ月前に女優と運転手の一般人が結婚したのは、女優がプロポーズした話を覚えていた。
俊平「電話番号交換する」
えり「いいですよ」 俊平は、けして不良な性格ではない。前向きな姿勢が運を引き寄せていた。
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