【番外編】七海&潤
「まだ間に合うかもしれないだろ。そんなのお前らしくもない。」
「……だよな。行ってくる。」
立ち上がって屋上の出入り口に手をかける。
「水樹」
「ん?」
「……ありがとな。」
それだけを伝えると俺は走り出した。
七海の学校に向かって―。
……もしかしたらもう七海には男がいるかもしれない。
もう俺のことなんてなんとも思ってないかもしれない。
…それでも……
伝えなきゃいけないんだ。
――――
「……まったく、世話が焼ける。
………頑張れよ。」
俺がいなくなってから水樹が呟いていたなんて俺は知らない。