Secret Baby
 オンボロのマイカーで、いつものように家路を辿る。
「あれほど優秀だった彼女が、なんで…」
 かつてのクラスメイトが、憐れむように…そして、どこか嬉しそうに私のことを噂していたようだが、別に構わない。
 業務内容がどうであれ、市の職員としてそれなりに待遇もいいから、間違った進路の選択はしていないつもり。来月のボーナスが今から楽しみだ。
 自宅のガレージに車を停めた時、
「メル、お疲れ様」
 聞き慣れた声に振り向く。
「お疲れ様。涼もいま帰ってきたの?」
「ああ。今日は5時限目が休講になったから」
 涼がこちらへ近づいてくると、反射的に後ずさってしまう。
「そんな露骨に避けなくても…」
 珍しく、落ち込んだような声を出す涼。
「え?違う違う!臭いかもしれないし、恥ずかしいから…」
「いつも、シャワー浴びてから帰るんだろ?気にしなくても、シャンプーみたいな香りしかしないよ」
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

パーフェクト同期は恐妻家!?

総文字数/20,321

恋愛(ラブコメ)56ページ

第6回noicomiマンガシナリオ大賞エントリー中
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop