Secret Baby
 小学生の頃のように、いつも一緒という感じではないが、街のド真ん中で殴り合って警察のお世話になったことが嘘のように、穏やかな関係に落ち着いた。
 私は、定期テストのたびに、勢いよく順位を上げ、ついに学年2位に。
 1年の1学期から不動の1位は涼だが。
「どん底から2位になるなんて、私って天才かしらぁ?次回は涼が2位かもね!ムフフ」
「俺としたことが⋯⋯。ま、ライバルがいたほうが張り合いがあるし、一緒に頑張ろう」
「でもさぁ、ここまで伸びたのって、涼の教え方がよかったからだよね。どっちが1位になっても、涼の勝ちだよ」
 そう言うと、涼は驚いたような顔をしていたが、
「うまいこと言ったって、絶対に1位は譲らないからな!」
 なんだか、とても嬉しそうに笑った。
 そして、2年の学年末で、私は初めて首位獲得。
 とはいえ、3年になってすぐに涼が返り咲き、私は2位をキープしていた。
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