Secret Baby
ともだち
 よきライバルが居たお陰なのか、涼と私は、県内トップの高校に進学。
 流石に、ガリ勉だらけの高校で、二人揃って1、2位を独占というほど甘くはなかったが、最初の頃は、お互いに上位10位以内に入った。
 そのあとは、涼だけが上位キープ、私は上の下から上の中程度。
「これからはもう、お小遣いはいらないよ」
 そう言って、母の休みの日には丸一日バイトをするようになった。
 バイトをして、家事全般をこなして、それでもまだ県内トップ校の上位でいられるほどの頭脳も体力もなかったというわけだ。
 調子に乗って進学校に入ったものの、私は最初から大学に行く気はなかったので、商業高校にしたほうが就職に有利だったのではないか?と思うことも。
 高校生になってから、また双子の家で過ごすことが増えた。
 商業高校に通う萌子に、
「ねぇ、萌。商業高校ってどう?」
 それとなく尋ねてみた。
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