Secret Baby
「うーん、イマイチ。だって、校則が異常なまでに厳しいんだもん!バイト禁止、ケータイ禁止、部活は全員強制、おまけに髪型までロングの場合はお下げって決められてるんだよ!?中学より厳しいわ」
「なるほど。それは、おしゃれ好きな萌には辛いかもね」

 高校生になったばかりの頃はまだ緊張感があってよかったが、しばらくすると、中だるみ状態に陥った。
 県内トップ校で恥ずかしくない程度の成績をキープしつつ、バイトにも精を出す。家事の殆どだけでなく、男手代わりも私一人で全てこなすことに、流石に疲れを感じてきたのだ。
 しかし、疲れたとか、手を抜きたいなどと、口にすることはできない。
 自分で決めたことだから、というのもあれば、私が生きる意味というのは、家族に苦労をさせない、楽をさせてあげることしかないから。
 グレていた約半年間は、これでもかというほど、母のことを憎んでいた。
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