護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
☆☆☆
爵位授与式の日。
ルードリックは大公姿に戻り、衣装を身に着けてエリアナを迎えに出た。
廊下を歩けば使用人たちが驚いているが問題ない。夜分遅くに到着したと説明すれば納得するのだから。
エリアナの部屋の前に立ち、一呼吸おいてドアをノックする。
「ルードリックだ。エリアナの支度はすんだか?」
「大公殿下! もちろんでございます」
少々おびえた声でドアを開けた侍女が目線を下げる中部屋に足を踏み入れる。鏡の前に座っていた彼女が立ち上がり、振り向いた。
「殿下がお選びくださったドレスです。似合ってますか?」
ドレスの裾を摘まみ、照れたような仕草をして微笑んでいる。
「ああ、似合ってる」
エスコートのために手を差し出し、エリアナがそっと重ねた。
瞬間、バチッと音がした。
「え?」
──なんだ、これは……。
ルードリックの時が止まった。
「殿下? 瞳の色が……澄んだ青色に変わっています」
じっと見つめてくる彼女の姿がモノクロではなく、美しい色であふれている。
甘い色合いの髪、きれいに輝く瞳、それに似合ったドレス、アクセサリー、すべてが輝いて見える。
「……きみの色は……何色というんだ?」
「っ、殿下。色が、色がわかるのですか? 髪はピンク、瞳は黄緑、ドレスは白とピンクです」
爵位授与式の日。
ルードリックは大公姿に戻り、衣装を身に着けてエリアナを迎えに出た。
廊下を歩けば使用人たちが驚いているが問題ない。夜分遅くに到着したと説明すれば納得するのだから。
エリアナの部屋の前に立ち、一呼吸おいてドアをノックする。
「ルードリックだ。エリアナの支度はすんだか?」
「大公殿下! もちろんでございます」
少々おびえた声でドアを開けた侍女が目線を下げる中部屋に足を踏み入れる。鏡の前に座っていた彼女が立ち上がり、振り向いた。
「殿下がお選びくださったドレスです。似合ってますか?」
ドレスの裾を摘まみ、照れたような仕草をして微笑んでいる。
「ああ、似合ってる」
エスコートのために手を差し出し、エリアナがそっと重ねた。
瞬間、バチッと音がした。
「え?」
──なんだ、これは……。
ルードリックの時が止まった。
「殿下? 瞳の色が……澄んだ青色に変わっています」
じっと見つめてくる彼女の姿がモノクロではなく、美しい色であふれている。
甘い色合いの髪、きれいに輝く瞳、それに似合ったドレス、アクセサリー、すべてが輝いて見える。
「……きみの色は……何色というんだ?」
「っ、殿下。色が、色がわかるのですか? 髪はピンク、瞳は黄緑、ドレスは白とピンクです」