護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

 思い出すだけでうっとりするといったのは、ルードリックのマントを持った騎士だ。

「歌も影響しているのか? 力を分析してしかるべき対応をする必要があるな。トーイ、頼む」
「御意。お任せを」
「あの、お話し中すみません」

 おずおずした声かけに振り向くと、黒髪の騎士がいた。なんらかの決意はあるものの、言いづらいのか唇を結んでいる。

「マクス、どうした?」

 スルバスが水を向けると、彼はその場でザッと跪いた。

「エリアナさま、どうか、私と一緒に……私のパートナーとして、妹の誕生パーティに行っていただけませんか!」
「なんだと!?」
「パートナー!?」

 くわっと目を剝いて同時に声を出したのはルードリックとトーイだった。
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