パーフェクト同期は恐妻家!?
Prologue
「そういうことなら、俺と結婚しよう」
「はい⋯⋯?」
 大都会の夜景を一望できる観覧車で二人きりという、ベタながらロマンチックなシチュエーション。目の前には、誰よりも優秀で眉目秀麗、性格もよく、いちばん親しい同期の男。そんな彼から唐突なプロポーズ。
 もはや、ドッキリ企画かと思ってしまう。
「幸せにしてみせるよ。少なくとも、お京のことを何も知りもしない奴なんかに負けるつもりはない」
 いわゆるハイスペ同期の、リンダこと林田彰は、まだ見ぬ誰かにメラメラと火花を散らすかのように言う。
「俺、お京好みの男ではないかもしれないけど、結婚相手としては悪くないんじゃないかな。だから、結婚しよう!」
 何故、今こんなシチュエーションになっているのか?
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