パーフェクト同期は恐妻家！？

「もし危険な目に遭ったら、俺のほうが悲しいから。ひと気のない夜道を一人で歩くのは本当にやめて欲しいよ」
　真剣な眼差しで言われると、頷くしか出来なくなる。リンダは、ニッコリ笑って、私の頬に軽くキスをした。
「ねえ、私も言いたいことがあるの」
「何？」
「リンダ、そんなに家事しなくていいよ。確かに私より得意だけど、流石に申し訳なくなっちゃうから」
「家事を奥さんに丸投げするような男にはなりたくないんだよ」
「そうは言っても、今の私は単なるバイトだし⋯⋯」
「バイトだろうと正社員だろうと、仕事してるのは同じことじゃん。バイトだからって手を抜いてるわけじゃないだろう？」
「そりゃそうだけどね⋯⋯」
　電撃婚で寿退社したあと、私は、大学時代の友人が営む小さな雑貨屋でバイトを始めた。
　以前から、こういう仕事をしたかったので、腰掛けOLをしていた時よりずっと楽しんでいる。