パーフェクト同期は恐妻家！？

「あれ？もしかして柏原さんじゃない？」
　バイトから帰る途中、聞き覚えのある声に振り向くと、OL時代の同期だった金田さんが、手を振って近づいてきた。
「金田さん！久しぶり」
「実は、もし違ってたらどうしようかと思ったのよね」
　ニヤニヤしながら彼女は言う。
「違ってたらって？」
「林田くん、これ見よがしにデスクの上に柏原さんの写真を並べてるんだけど⋯⋯ある日突然、デスクの写真が変わったのね。でも、よく見たら、眼鏡してない柏原さんの写真なのよ。あれを見てなかったら、すれ違っても気づかなかったかも」
　想像もしていなかったことを聞かされ、顔が火照るのを感じた。
「もー！電撃婚するし、いつの間に凄く綺麗になってるし、やるわねー！しかも、デキ婚じゃないのも本当みたいだし」
　そんな追い打ちをかけられ、顔が火照るどころか、焦げてしまうのではないかと思う。