パーフェクト同期は恐妻家!?
 そんな風に言ってくれる人は初めてだった。
 無意識に猫背になっていたら、注意してほしいと頼むと、笑って快諾してくれた。
「おーい、どうした?焦げそうだから、皿に載せておくよ」
 リンダが皿に載せたお好み焼きを渡してくれる。
「あ、ごめんね」
「どうした?体調悪い?」
「ううん。何故か一瞬、昔のことがフラッシュバックしてただけ」
「大丈夫か?俺、もしかして何か辛いこと思い出させるようなこと言ったかな⋯⋯?」
「えっ!?違う違う!」
「本当に?」
「本当だってば!」
 私のほうが申し訳なくなるほど、リンダはすまなそうな顔をしている。
 やや無理矢理笑ってみせると、やっとリンダも穏やかな表情に戻った。

*****

「あの感じが気になるの。気の毒なほど気を遣われているような⋯⋯」
 悪天候の平日。ちっともお客さんが来ないので、店を閉めてお茶をしながら、山口さんに打ち明けた。
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