パーフェクト同期は恐妻家！？

Réminiscence 〜彼の回想〜

　時折、僕はあまりに長い夢を見ているような気がする。
　今も、テーブルの向こう側では、もう二度と逢えないと思っていた初恋の彼女が“僕の妻”として微笑んでいてくれるなんて。
　残念ながら、彼女は僕のことなど全く覚えていなかったみたいだから、この打ち明け話にはかなり驚いたようだ。
　その打ち明け話とは⋯⋯。

　子供の頃の僕は、有り体に言って情けない少年だった。
　成長とともに色に変化はあったものの、小さい頃は金髪に近い髪色で、目の色は未だに「カラコン？」などと聞かれるぐらいだから、かなり浮いていた。
　両親とも混血の労働者で、真面目に働いても稼ぎは少なく、周りの大人はまるで両親のことを犯罪者予備軍のように思っていたという。
　その偏見をそのまま引き継いだ子供たちは、当然の如く、僕に嫌がらせをした。いじめと言っても過言ではないだろう。