パーフェクト同期は恐妻家!?
 同期は他にも居るのに、どうして、よりによって一番目立たない私のことを誰よりも構うのか?と思うのも無理はないだろう。
 彼がエキゾチックな顔立ちなのは、北国と南国の血が混ざっているせいだということも教えてくれた。
「いいなぁ⋯⋯私は彫りが浅いから、フランス人形みたいな顔に生まれたかったってよく思ってたの」
「俺は、お京の純和風の顔が好きだけどな」
 顔が好きだなんて、異性に言われたことはなかったので、リアクションに困ってしまう。
 からかわれているだけなのかもしれないが、彼はいつも冗談のようなことを真顔で言うので、実に読みにくい。
「リンダは⋯⋯若い頃のジョンに似てるね」
「ジョンって?」
「Bon Joviの」
「あはははは!世界中のファンに殺されるよ!」
 時々、この人は自分の魅力に気づいていないのかと思うことがある。そこがいいとも言えるのだが。
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