パーフェクト同期は恐妻家!?
 いじめの主犯たちは、いい意味でかなり昭和の名残があるその教師から、全員が激しく尻をぶたれて泣いた。
「大丈夫?」
 控え目な声に振り向くと、隣のクラスの、とても同級生とは思えぬ長身の女子が居た。
 僕は彼女を見上げ乍ら、
「うん、大丈夫だよ。君が先生を呼んでくれたの?」
 彼女は頷き、
「でも、誰にも言わないでね。知られると、次は私がターゲットになるかもしれないし」
 そんなことになっては大変だ。
「うん、絶対に言わないよ」
 すると、彼女は足早に去っていった。
 僕は、彼女にありがとうと言い損ねてしまったことに気付き、明日には必ず言おうと決めた。
 それなのに、存在だけは知ってはいたものの、名前も知らない隣のクラスの子なので、なかなか言い出せなかった。
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