パーフェクト同期は恐妻家!?
 しかも、彼女は僕と目を合わせようとしない。自分が教師を呼んだことを、いじめの主犯に知られることを避けたかったのかと思うと、下手なことも言えなくて⋯⋯。
 その長身の彼女は、噂で聞いた話によると、バイオリン、ピアノ、日舞、バレエ、乗馬など、かなり色々な習い事をしているお嬢様らしい。
 性格はおとなしいが、とても落ち着いて見えることもあり、周りからも一目置かれている様子。
 お嬢様か⋯⋯。
 そんな育ちのいい子なら、僕なんかでは友達になれないだろう。
 僕が習い事をしたいと言えば、親に無理をさせてしまう。
 だから、自分に出来ることを精一杯頑張ろう。そして、自分に自信が持てるようになったら、あの日のお礼と、願わくは友達になりたいことを伝えよう。
 自分に出来ることなど限られていたが、勉強だけでなく、体を鍛えたり、難しい本を読んだり、親が留守の間に家事も少しずつ覚えていった。
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