パーフェクト同期は恐妻家!?
Automne 〜パーフェクトじゃないからこそ〜
 秋という季節はなぜ、わけもわけもなく淋しくなるのだろう。
 しかし、今年はそんなことを感じることもなく過ごしている。
 私が土日休みではないこともあり、休みが合う時には、リンダとデートすることが多い。
 ガラではない気がして、あまり表に出さないようにしているが、実は、私はかなりの少女趣味である。
 それこそ、乙女チックラブコメのような世界観が好きだったが、まさか自分がこんなぶっ飛んだ形で結婚するとは思わなかった。
 私は恋愛経験がないまま結婚したのだが、あれはいつだったか、
「結婚してから恋愛するっていうのもいいんじゃない?」
 リンダがそんなことを言いだした。
「え!?それじゃ不倫になっちゃうよ!」
「ちーがーう!俺と恋愛してください」
 俺と恋愛してください、なんて言い回し、初めて聞いたかもしれない⋯⋯しかも、夫から。
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