パーフェクト同期は恐妻家!?
 そんな風に、社内では一番近い存在として、ずっと一緒に過ごしてきた。
 周りから、付き合っているのかと尋ねられ、そんなわけがないと必死で否定すると、
「そこまで全力で否定されると凹むんですけど」
 リンダは、冗談か本気かわからない、絶妙な調子で言うので、周りもさほど追及してこなかった。
 誰の目にも、明らかに釣り合わない二人だからなのかもしれない。
 私は、密かに彼に惹かれては居たが、ずっと気持ちにブレーキをかけ続けてきた。
 ギリギリまで誰にも言わなかったが、25歳になったら、田舎に戻って見合いをしなければいけないことに決まっていたから。
 要するに、恋をするだけ無駄ということだ。
 楽しい思い出が増えるほど、離れなければいけないリミットが迫ってくることが辛くなる。
 2年半なんて、あっという間だった。
 典型的な腰掛けOLで、もうじき退職だ。
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