パーフェクト同期は恐妻家!?
 田舎と違い、やはり東京はデートスポットも多いので、私は、おのぼりさん丸出しで観光ガイドに付箋をたくさん挟み、休みが重なる時を心待ちにしている。
 その季節ならではのロマンチックなイベントなどもあるが、寒くもなく、暑くもない秋というのは、通常のデートにはいちばんの季節だと気付いた。
 次の休みには、初めてのお泊りデートをすることに。
 他人にしてみれば、既に結婚しているのに何を言っているのか、今となっては単なる家族旅行だろうと呆れられるだろうけれど、私たちにとっては違う。
 私が実は少女趣味であることを、あとになって知ったリンダは、それこそガラにもなく乙女ちっくな演出をしてくれる。
 待ちわびたデート当日、私たちはわざわざ外で待ち合わせた。
 1泊分の荷物を抱えた私のことを、借りてきたオープンカーで拾ってくれて、南房総へ。
「何となく、いけないことをしてるみたいね」
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