パーフェクト同期は恐妻家!?
 少し弱くなった日差しや、髪を乱す風の涼しさに秋を感じる。
「その感覚を味わうために、お泊りデートするようなもんだから」
「ねぇ。前から思ってたんだけど、リンダって思春期以降は相当モテたんじゃない?」
「ん?まあ、そうかもね」
 軽く笑い飛ばして言う。
「その中には素敵な子も居たでしょう?」
「お、珍しく妬いてくれてるんだ」
「妬くよりも、とても不思議だなと思ったの。相手はいくらでもいるのに、どうして過去の私にそこまで拘ったのか」
 確かに、小学生だった私は、リンダの地元に短期間だけ住んでいたことがあり、同じ学校だったと聞かされて、とても驚いた。
 もともと私は、特に親しくないクラスメイトのことは覚えられないタイプで、ましてや、1年後にはまた引っ越すことになっていただけに、当時は周りと深く付き合わなかった。
 つまり、林田少年のことも、よく覚えていないのだ。
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