パーフェクト同期は恐妻家!?
 こんなつまらない話を、リンダは複雑な顔で聞いてくれた。
「ごめんね。こんな話されても困るでしょう?」
「謝るなよ。俺のほうから話を聞きたいって言ったんだから」
 レストランを出て、寒空の下を私たちはゆっくり歩いた。
「そうだ。観覧車に乗らない?」
 思いついたようにリンダが言い、私は頷いた。
 なんだか、デートコースみたいだなと思いながら、海辺の観覧車からの夜景を眺めていた。
「お京は、知らない誰かと結婚する人生でいいの?」
 痛いところを突いてくる。
「いいわけないじゃない。だけど、最初から諦めて生きてきたから、今更⋯⋯」
「嫌なんだね?」
「まぁ、本心はそりゃそうよ」
「そういうことなら、俺と結婚しよう」
「はい⋯⋯?」
 ずっと夜景に見惚れていたが、思わず、向かい側のリンダの顔を凝視してしまう。
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