会社の給料が低く副業をやろうと思ったら、謎の美女に会社の給料の数倍以上の金額で仕事を与えられた。そして、その美女は……
「ありがとうございました」
「気にしなくていいわ。あなたの腕を見込んでの話なんだから」
「ははは」
「それに……」
「なんですか?」
「ううん。なんでもないわ。あなたの部署を案内しないといけないわね」
「そうですね」

「前の会社は開発をやっていたのよね?」
「そうですね。ただ、あまりやらせてもらえなかった印象はありますが」
「なら、開発部がいいかしら? 私としては、あなたに私のそばで働いてほしいのだけど」
「それって」
「あなたの話を聞いてるうちに、あなたのこと気に入っちゃって」
「それは光栄です」
「私のために何か開発してもらうというのはどうかしら? 部にも話を通しておくわ」
「それなら大丈夫です」

「よかったわ。ようこそ、わが社へ!」
 そう言って、握手してくる。
「こちらこそ」
 これから楽しい生活が始まるぞ。


 ミツバのために開発をすることになったが、タモツは落ち着かなかった。
「どうかした?」
「いや、近すぎません?」
 ミツバがのぞき込んでいるのだ。そのせいか、ミツバの体が当たっている。ちょっとふくよかな胸が。
「意識……しちゃうかしら?」
「それはそうですね」
「ごめんなさいね。気になっちゃって」
「いえいえ。嫌じゃないので」


 それからしばらく経った頃。
「タモツ、ちょっといいかしら?」
「何でしょうか?」
「タモツに話したいことがあって」
「それは」
「場所変えましょう」

 ミツバと部屋を出て、だれもいない場所へ。
「あのね、タモツ。私、あなたのこと、好きになっちゃったの」
「ミツバさん」
「ミツバでいいわ♡それで、どうかしら?」
「俺でよければ、喜んで」
「それは、タモツも私のことが好きってこと?」
「はい。ミツバのことが好きです」
「うれしい!」
 こうして、俺たちは恋人になった。結婚はいつかって? それはまだわからない。
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