蒼い空

ズットカタオモイ

僕が恋をした君は
好きな人がいた

「なあ、今日一緒に帰んね?」
幼馴染に声をかける
髪の短い少女が振り向く
「ごめん、今日もあの子と帰るの。じゃね。」
そういって僕の見たことのない綺麗な笑顔で
『あの子』のもとへ行った
その瞬間にあの子のことが好きなんだな
と気が付いた
(僕のほうが長く一緒にいたのに…)
いけない感情が
僕を支配する
女が女を好きなんて
そんなのおかしい
友人にそのことを話したら
すぐに広がってしまった
幸運なことに
『あの子』にはその話が届いていないらしく
君が好きということは気が付いてなかった
しかし君には届いていて
だんだんと笑顔が減ってきた
(チャンスではないか?)
またいけない感情が出てきた
今の君に付け込めば
振り向いてくれるかもしれない
しばらく話を聞き勇気を出して告白をした
しかし答えは望むものではなかった
僕の中で何かが切れる音がした
そのあとのことは覚えていないが
君に対してひどいことを言ったのは覚えていた
そして
君は次の日電車へ飛び降りた
何日か後
あの子も電車に飛び込んだ
悲しい反面
どこかで喜んでいる僕がいた
これで僕が苦しまなくて済む
と思った
片思いは辛かった
しかも相手には思っている相手がいる
地獄でしかなかった
ざまあみろ。僕を振ったからだ
僕はその日から『人殺し』として
笑って生きていくことにした
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