王子様たちに毎日甘く溺愛されて
梨乃ちゃんたちはもちろん、あんまり話したことのない男子でさえもこっちに興味を示している。



「ほ、ほんとにたまたま会っただけっていうか…」


しどろもどろになりながら言うと、ちょうどながぽんが教室に入ってきた。


「はーいホームルーム始めるよー」



ナイスタイミング!ながぽん!



ぜひとも今日のMVPにしたい。



「あ!桃園。望遠鏡ありがとな」



ながぽんはそばに置かれた望遠鏡の存在に気づくと私の方を見てにこっとする。



ほんとは糸瀬くんがやってくれたのに…。



なんか私が褒められるのは違うけどながぽんからすれば運んできてくれたらなんでもいいんだろう。



屋上の鍵を返して、朝のホームルームは終わり。
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