王子様たちに毎日甘く溺愛されて
「意味わかんないっ!じゃんけんで決めようよ」



そう言ったら男の子たちはまだ対抗する気があるのか、とでも言いたげな目で私を見た。



そしてリーダー格の男の子がぽつり。



「こいつ、ムカつくな」



口元に笑みを浮かべながら呟いた。



そして喧嘩をする構えまでされてしまって引けなくなった私。



当時は勝てる確率があると本気で思っていた。



ほんと、純粋だったんだと思う。



でもガキ大将の拳が迫ってきた時に感じてしまったんだ。



怖い、逃げればよかったって。



目を瞑り「痛い」という感覚の訪れを待つことしか出来なかった。
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