残念先輩って思われてますよ?
だけど廣田先輩とまだちゃんと話ができていない。
カラオケ行こうか? という話になりカラオケボックスではなく、この会社ご用達のカラオケパブという形態のお店に行くことになった。
移動中にどういうところなのか聞くと、この時代に珍しい“ツケ”が利くお店らしく特に幹事を任せられる新人達には大変有難いお店とのことだ。
雑居ビルの地下にあるお店の中に入るとテーブルとソファー、椅子が置かれておりだいたい七・八グループくらいは座れるくらいに広さで少し薄暗い。
奥の大人数が座ることのできるところに通されなぜか男性陣は少し広がって座っている……なんで?
私の疑問は、腰かけて三十秒後に解消された。
すごく着ている衣装が薄く体のラインがくっきりとしたタイトなワンピースや、パーティードレスの様な出で立ちをした女性たちがお店の奥から出てきて次々と男性陣の間に座っていく。
新人男性社員も先輩達に連れてこられたのか慣れたような素振りでどんどん近くに座った女性と次々と弾ませてあちこちで笑い声が聞こえはじめる。
私はカチコチに固まって端っこに座っていると「失礼します」と女性がひとり、私のそばに座った。