年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
「そうね。お腹の子になにかあったらいけないものね」
「それもありますが、奥さまのお身になにかがあってもいけないのです」

 旦那さまは奥さまのことをとても大切にされているし、第二子のご懐妊がわかったときも、嬉しさより心配のほうが勝っていらっしゃる様子だった。

 リッカルドさまのお産のときのことが、頭によぎられたんだろうなって。

「クレア、リッカルドは元気?」
「はいとってもお元気ですよ。最近は積み木に夢中のようです」
「ふふっ、そう。私も旦那さまもあまり構えないから、どうしているのかなって心配なの」

 眉を下げて、奥さまがぼやかれる。

「リッカルドさまも、お母さまのことが心配だっておっしゃっていましたよ」

 奥さまのお身体を起こして、肩に毛布をかけた。お身体が冷えてはいけないもの。

「いいお兄さまになるとも、おっしゃっております」
「……安定期に入ったら、少しあの子と遊びたいわ」
「無理のない範囲なら、可能だと思いますよ」

 がっつり遊ぶのは本当に無理だと思う。それに、リッカルドさまも奥さまが身重なのは理解されているようだし。
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