年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
閑話2 憧れから恋(アルロイ視点)
 しかし、予想に反して俺はクレアさんと度々かかわるようになっていた。

 庭師の下っ端ということもあって、俺は雑用なんかも担当していた。ゆえに自然と伝言係となることが多かったのだ。

 はじめは世間話もなにもなかった。でも、時間が経つにつれ世間話をするようになり、個人の話もするように。

 互いの趣味とか好き嫌いとか。ほかにも生い立ちとか。いろいろと話をするようになった。

「え、アルロイさんって二十一歳なんですか?」

 あるとき、クレアさんは俺の年齢を知って驚いていた。

「はい。年齢よりも大人びて見えるって言われること多いですけど」

 顔立ちの問題なのか、俺は年齢よりも上に見られることが多かった。それはクレアさんも例外ではなかったらしい。

「ということは、私より年下なんですね」

 けど、続けられた言葉に俺は目を丸くすることしかできない。

 だって、クレアさんって十代後半にしか見えなくて……。

「女性に年齢を聞くのは失礼だってわかってるんですけど、クレアさんって何歳なんですか?」
「二十二です」

 ためらいなくつむがれた年齢に俺は困惑してしまう。

 どうやら彼女は俺よりも年上だったらしい。絶対に年下だと思っていた。もしくは、同い年。

「すみません、年下かと思っていました」
「私もアルロイさんのこと、年上かと思ってました」

 二人してしょんぼりとして頭を下げる。頭を上げたタイミングが同じだったためか、俺たちはどちらともなく笑い合っていた。
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