年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
 ◇

「リッカルドさま! とてもお上手ですねぇ!」

 ニコニコと笑ってそう言えば、目の前の男の子が嬉しそうに笑ってくださる。

「うん!」

 楽しそうに積み木を積んでいた男の子――リッカルドさまが、嬉しそうにお返事をくれた。

 色彩的には旦那さまに似ていて、お顔立ちは奥さまに似ている。特に、笑い方なんて奥さまそっくり。

「ふふっ、では、次はどうします?」
「つぎはねぇ」

 リッカルドさまは楽しそうに笑ってくださる。その笑みは、本当に魅力的だ。

 ……なんだろうか。将来、とんでもない美男子に成長されるような気もする。

(ううん、絶対に美男子だわ……)

 三歳児にして、とんでもなくお顔が整っている。

 将来が恐ろしい……と思いつつ、私はリッカルドさまの積み木遊びを見守っていた。

 これは、本来私の仕事ではない。私は奥さまの専属侍女という立場なので、ご令息であるリッカルドさまの担当ではないのだ。

 けど、乳母が少し席を外す……というので、私は代わりにリッカルドさまのお世話をさせていただいていた。

 私は保育のプロじゃない。だから、少し怖いと思う気持ちもある。……ただ、リッカルドさまは基本的に危険なことはされない。

 きっとだけれど。うっすらと、自分の立場が変わりつつあることを、理解されているのだと思う。
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