それは麻薬のような愛だった


子供の頃からがむしゃらに何かに取り組んだ事は無い。
というのも、それほど必死にならずとも人並み以上…寧ろそれより更になんでもできたから。


勉強もスポーツも、人望も。
とりわけ彼女なんてものは何もせずとも女は寄ってきたし、そもそも頑張って作るものでも無い。

自分の容姿が優れているのも早い段階で気付いていた。
まあそれは美人と評判の母親(自称)の遺伝子の賜物だろうから自分がどうにかしたわけではないが。



何が言いたいかと言うと、この人生の勝ち組オブザイヤー優勝のような自分が一人の地味な女に振り回される事になろうとは、昔は夢にも思わなかった。






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