それは麻薬のような愛だった
どうしようもない罪悪感が全身を蹂躙する。
一体どの面下げて雫の心を求められたのだろう。
けれどそれより恐ろしかったのは、腹の奥から込み上げてくるどうしようもない優越感だった。
これで雫は誰のものにならない。
そういった愉悦感に己の狂気すら感じた。
曝け出された肌と雫の潤んだ瞳を見た瞬間、このまま全て自分のものにしてやりたいと思った。
彼女の心はもう無い、自分が壊した。
ーーそれならいっそもう何処にもいかないよう、囲い込んでしまえばいい。
理性などとうに失われ、その日初めて避妊を怠った。
翌朝、いつもの事ながら隣で眠るあどけない寝顔に愛しさが込み上げてくる。
雫の薄く開いた唇にキスを落とし、伊澄はシャワールームへ向かった。
最低な事をした自覚はある。
これからしようとしいる事も同じだ。
この期に及んでまだどうすれば雫の側に居られるか算段を立てる自分にゾッとした。
だがどれほどの綺麗事を並べ立てようと、理性をねじ伏せて愛しい女をモノにしたいという欲望が感情を支配する。