それは麻薬のような愛だった




私の勤める職場には、パーフェクトな男がいる。



中途で入った弁護士事務所は以前の会社と違い定時に上がれるし休日出勤を強要もされないし、待遇も良く満足している。

そこで出会ったその男はこんな人が現実に居るのかと思うほど何もかもが揃った男だった。


切れ長の瞳に高い鼻筋のどこか雄々しさを残しつつも美しい顔立ちと、長い手足の抜群のプロポーション。
更に時折シャツの袖から除き見える肌は綺麗に筋肉がついており、その均整のとれた体付きはそこかしこから色気を放出している。

更に仕事においても非常に優秀で、その敏腕さから若干32歳にして既に引き抜きや独立の噂が跡を立たない。


当然そんな男がモテない訳もなく、女性社員からは毎日熱い視線を送られているが本人は何処吹く風というように華麗にスルーしている。
これまでも散々モテてきたのだろう。




もちろんそんな彼という男を形造る何もかもが素敵で世の女性を魅了しているのだが、私が彼に強く興味を引かれた部分は別にあった。







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