寵愛の姫 Ⅲ【完】
紹介

欲求ー暁sideー



「暁、ちょっと欲しい物があるんだけど……。」



8月も中盤に差し掛かった頃。




申し訳なさそうな顔をした莉茉が俺を見上げる。



「欲しい物?」



珍しい。



滅多に、何かを欲しいとは言わない莉茉。



……いや、


言えないような環境だったのか……。
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