寵愛の姫 Ⅲ【完】



「……………、暁?」



「うん?」



「あの、さ?」


もぞもぞと動いた莉茉が、俺の腕の中から顔を上げる。



「暁が使ってる香水、借りても良い?」


「香水?」



しかも、俺の?




莉茉には、俺が似合うと思った香水を買ってある。



結構、本人もその香りを気に入っていたばずなのに。



「………莉茉、何に使うんだ?」



俺の疑問も、最もだと思う。




莉茉に対して、首を捻るしかなかった。
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