寵愛の姫 Ⅲ【完】



「……ん。」



ゆっくりと首筋に。


白くて細い莉茉の手首にも、香水を馴染ませていく。





ふわりと香る、同じ匂い。



「……………なんか、暁に抱き締められてるみたいで落ち着くね。」



匂いを嗅いだ莉茉が、にっこりと微笑んだ。



「………。」


ーーーーこいつは。


また、そうゆう事を…。





こっちは、せっかく我慢しているってのに。



……………………やっぱり、誘ってんのか?
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