寵愛の姫 Ⅲ【完】



「暁?」



悶々と考え込む俺を、莉茉が不思議そうに見上げた。



「ねぇ、どうかした?」


「………、いや。」


「っ、もしかして…。」



莉茉の顔が曇る。



「暁、具合でも悪い?」


「大丈夫だ、何でもねぇよ。」



安心させるように莉茉の華奢な身体を引き寄せて、もう一度、莉茉の唇に口付けた。



「それよりも、莉茉。」
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