寵愛の姫 Ⅲ【完】

驚愕



「行ってらっしゃい、莉茉ちゃん。」


「若姐さん、学業を頑張って来てくださいね。」


桜樺学園の昇降口に近い外来用の駐車スペース。


止められた車から降りようとした私に、大雅さんと銀次さん声を掛けられた。


「はい、ありがとうございます。」



おずおずと笑えば、2人とも優しい眼差しを私に向けてくれる。






ーーーーー若姐さん。



初めて銀次さんにそう呼ばれた時、凄く戸惑ったのを、覚えている。
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