寵愛の姫 Ⅲ【完】


……でも。



「銀次のあれは、呼び名みたいなもんだ。」



その事を告げた私に、暁は困ったように笑いながら教えてくれた。





暁いわく。



「呼び名?」



……らしい。





首を傾げた私の身体を、暁は軽々と抱き上げると、自分の膝に乗せる。




これは、いつもの事。




何かと私を自分の膝の上に乗せたがる暁に抵抗せず、そのまま受け入れている。
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