寵愛の姫 Ⅲ【完】


「莉茉。」



先に車から降りた暁の手が、中にいる私の方へと差し伸べられる。





最初は照れくさかったけれど、この行為にも慣れてきている自分がいる。



「ん。」



差し伸べられた暁の手に指を乗せれば、ゆっくりと引き寄せられる私の身体。





この瞬間が、好きだ。


守られているようで、大切にされている事が強く実感ご出来るから。





暁と私の2人の同じ香水の香りが、ふわりと混ざり合う。
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