寵愛の姫 Ⅲ【完】


「莉茉、行くぞ。」



「うん。」



暁に頷いた私は、後ろを振り返って軽く頭を下げた。



「学園まで送りをありがとうございました。それじゃあ、行ってきます。」



私が顔を上げれば、2人共、優しい笑顔を浮かべている。



「若姐さん、帰りもお待ちしております。」


「後でね、莉茉ちゃん。」




深く頭を下げた銀次さんと、手を振ってくれる大雅さんに見送られて、私は学園へと歩き出した。
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